韓国に住んでいる間に一度は行っておきたいと思い続けていたけれど、どうも心の準備ができていなくて、結局、帰国直前まで足を運ぶことができなかった場所へ、とうとう行ってきました。独立門にある、「刑務所歴史館」です。
こちらは、日本が韓国を植民地化していたときに、主に民族独立運動家や政治犯を収容した刑務所で、中では過酷な尋問、拷問、処刑が行われたそうです。今、その場所は歴史を伝える遺産として、公開されています。行ったことのある日本人からは、「展示、かなりすごいよ~」と聞いていたので、本当になかなか足が向かなかったのですが、やはり帰国前に、どんな展示が行われているのか自分の目で見ておきたいと思い、出かけてきました。
実際、展示は、すごく生々しかったです。当時の独房や刑罰房は、実際に中に入って体験することができるようになっていましたし、地下の展示場には、マネキンを使って、当時の尋問や拷問の様子が再現されていました。血まみれのマネキンが動き、音声も流れるので、子供の見学者はかなり怖がっていました。脳天を割られた人物の特大パネルや再現ドラマなど、グロテスクな内容のものもありました。また、ところどころは日本語の説明も書いてありましたが、殆どは韓国語と英語の説明だけで、どんなことが書かれているのか…。そして、過去に実際に刑務所として多くの韓国人を収容したところなので、その現場にいるだけで、気分が重くなると言うか…。覚悟はしていましたが、けっこう広いので、全部回りきったときには、ど~んよりとした気分になってしまいました。
韓国人の見学者は、若者のグループが多かったのですが、家族連れも多く、小さな子供連れの若い家族が、子供に説明しながら回っているのには驚きました。子供にはかなり強烈だと思いますが、小さなうちから、いろいろと知らせておくのですね…。若者は、どの国もそうなのかもしれませんが、ふざけて写真を撮影し合ったり、遊び感覚で来ている人が多かったように見えました。日本人見学者は、私達夫婦の直前に、もう一組カップルがいたのですが、あっという間に見学を終えて出て行っていましたね…。
蒸し暑く、日差しもきつく、残暑の厳しい一日でしたが、ここを出る時には、嫌でも重々しい気分になってしまいました…。でも、実際に足を運ぶことによって、いろいろ見て知ることができたので、行ってよかったと思いました。日本人が過去にしたことと、現在の韓国人がそれをどのように受け止めているのか、認識は人それぞれでしょうが、日本人として、こういう施設の見学は、機会があるのだったら、経験する価値はあると思いました。
この塀の外に出たら、煉瓦の塀をバックにコスプレ女子グループが撮影をしていました。中と外のギャップにちょっとびっくり。